新着情報 News
ホームページ制作で失敗しないために。依頼前に整理しておきたい8つのポイント
「ホームページを作りたいのですが、まず何を準備すればいいですか?」
Webサイト制作のご相談で、よく出てくる質問です。会社案内が古くなった、問い合わせを増やしたい、採用を強化したい、スマートフォンで見やすくしたい、自社で情報を更新できるようにしたい。制作を考えるきっかけは、会社によってさまざまです。
ただ、いざ相談しようとすると、「目的やターゲットまで決めておかないといけないのか」「必要なページや機能が分からない」「予算もまだ固まっていない」と、そこで手が止まることがあります。
先に結論を言うと、完成形や技術仕様まで決めてから制作会社へ相談する必要はありません。むしろ、依頼前に用意しておきたいのは完成した設計図ではなく、制作側と一緒に考えるための「判断材料」です。
本稿では、一般的な呼び方に合わせて「ホームページ」と表記しますが、企業・団体のWebサイト全体を指す意味で使用します。
依頼前に「全部を決める」必要はありません
自社で整理しておきたいのは、目的・見てほしい人・今困っていること・予算や期限などの前提条件です。
ページ構成、デザイン、CMS、SEO、計測、システムなどの専門的な部分は、目的や条件を共有したうえで制作側と一緒に決めていけます。
「決まっていること」「相談したいこと」「まだ分からないこと」を分けておくだけでも、相談の場で話を整理しやすくなります。
まずは、依頼前に整理しておきたい8項目の全体像
1
目的
なぜ今つくるのか
2
相手・行動
誰に何をしてほしいか
3
現状課題
困りごとと残したいもの
4
掲載情報
何を伝える必要があるか
5
機能
何ができるようになりたいか
6
素材・体制
誰が何を用意・判断するか
7
予算・日程
現実的な条件と優先順位
8
公開後
運用・計測・移行をどうするか
ここからは、一つずつ詳しく見ていきます。8項目すべてに答えを出すことが目的ではありません。「ここは決まっている」「ここは相談したい」と整理できれば十分です。
1.まず「なぜ作るのか」を言葉にする
最初に整理したいのは、デザインやページ数ではありません。今回、なぜホームページを作るのか、あるいはリニューアルするのか。その理由です。
例えば、「問い合わせを増やしたい」「採用応募につなげたい」「新しい事業をきちんと伝えたい」「古くなった企業イメージを今の会社に合わせたい」「更新しやすくしたい」など、目的はいくつあっても構いません。
ただ、複数ある場合は、「今回いちばん解決したいことは何か」を一つ決めておくと、制作途中で判断に迷ったときの軸になります。
「かっこいいサイトにしたい」も大切な要望ですが、それだけでは制作側が何を優先すべきか判断しにくくなります。「県外からの法人相談を増やしたい」「採用候補者に仕事内容を理解してほしい」まで共有できると、必要な情報や導線を具体的に考えやすくなります。
この項目で整理しておきたいこと
- 今回、制作・リニューアルを考えたきっかけ
- 今いちばん解決したいこと
- 公開後、どんな変化が起きれば「やってよかった」と言えるか
2.「誰に見てほしいか」と「その人に何をしてほしいか」を考える
次に整理したいのは、サイトを見る人です。ここで大切なのは、細かなペルソナを無理につくることではありません。
法人の購買担当者、既存顧客、求職者、地域の生活者など、同じ会社のサイトでも見る人によって知りたい情報は変わります。対象が複数いる場合は、「最優先は法人顧客、次に採用候補者」というように優先順位が分かるだけでも十分です。
もう一つ考えておきたいのが、見た人に最終的にどう動いてほしいかです。問い合わせ、資料請求、来店、予約、応募、電話、サービス理解など、目的によってページ構成や導線は変わります。
「誰に見てほしいか」と「何をしてほしいか」がセットになると、制作側もユーザー目線で情報を組み立てやすくなります。
この項目で整理しておきたいこと
- 特に見てほしい人・組織
- その人がサイトを見る場面や抱えていそうな疑問
- サイトを見たあとに取ってほしい行動
3.今のサイトや営業活動で「困っていること」を集める
リニューアルの場合、現在のサイトの課題は重要な材料です。ただし、Web担当者だけで考える必要はありません。
営業担当からは「お客様から毎回同じことを聞かれる」、採用担当からは「仕事内容が伝わりにくい」、総務からは「お知らせを更新しづらい」、経営側からは「今の会社の方向性と見た目が合っていない」といった声が出ることがあります。
こうした声は、アクセス解析だけでは分からない情報です。一方で、現在のサイトで評判のよいページ、検索から継続して見られているページ、営業でよく案内しているページなど、残した方がよいものもあります。
リニューアルは、今あるものを全部捨てて作り直すことではありません。変えるものと残すものを分けるためにも、現状の不満と良い点を両方集めておくと判断しやすくなります。
「そもそも今がリニューアルのタイミングなのか」を考えたい場合は、別のコラム記事「“なんとなく古い?”が致命傷に!サイトの見直しを考えるべき『タイミング』と『進め方』」も参考になります。
この項目で整理しておきたいこと
- 現在のサイトで困っていること
- 社内・顧客からよく聞く不満や質問
- 残したいページ・情報・機能
- 現行サイトのアクセス解析や問い合わせ状況が分かれば、その概要
4.「載せたい情報」だけでなく、「相手が知りたい情報」を整理する
ホームページ制作では、会社側から「会社概要を載せたい」「サービスを全部紹介したい」「代表メッセージも必要」といった要望が出てきます。もちろん、どれも大切な情報です。
一方で、サイトを見る人は、会社が伝えたい順番でページを読んでくれるとは限りません。サービスを検討する人なら、「自分の悩みを解決できるのか」「どんな実績があるのか」「どのくらいの費用感なのか」「依頼するとどう進むのか」といった疑問を先に持っているかもしれません。
そこで役立つのが、営業や問い合わせの現場で何度も説明していること、よく聞かれることを集める方法です。ページ名を先に決めるより、実際の質問を集めた方が必要な情報を見つけやすいことがあります。
検索から見つけてもらう場合も、生成AIなどを経由して企業情報が参照される場合も、まずはページ上に事実が分かりやすく記載されていることが基本です。サービス内容、対象、特徴、実績、会社情報、問い合わせ方法などを、画像だけに頼らず適切なテキストとして用意しておくことが土台になります。
検索・AI時代でも、特別な“魔法の対策”から始める必要はありません
Googleは、検索のAI機能についても従来のSEOのベストプラクティスが引き続き有効で、AI機能に表示されるためだけの追加要件はないと案内しています。まずは、人にも検索システムにも内容が分かるよう、価値のある独自情報を明確に掲載することが基本です。
参考:Google Search Central「AI 機能とウェブサイト」
この項目で整理しておきたいこと
- お客様や求職者からよく聞かれる質問
- 必ず伝えたいサービス・商品・会社情報
- 実績、事例、写真、数値など信頼の根拠として使える情報
- 公開できない情報・表現上の制約
5.必要な機能は「技術名」ではなく「やりたいこと」で伝える
制作会社との打ち合わせでは、CMS、予約システム、会員機能、API連携など、技術的な言葉が出てくることがあります。専門知識がなければ、無理に技術名を決める必要はありません。
例えば「WordPressを入れたい」ではなく、「社内の担当者が月に数回、お知らせや実績を更新したい」と伝える方が、目的に合った方法を検討しやすくなります。
「CRMとAPI連携したい」と決め打ちするより、「Webから来た問い合わせを、営業担当が使っている顧客情報と一緒に管理したい」と共有した方が、既存環境も含めて選択肢を検討できます。
技術は目的を実現する手段です。制作前の段階では、まず「何ができるようになりたいか」を言葉にできれば十分です。
例えば、こんな伝え方で十分です
- 社内でお知らせや実績を更新したい
- 問い合わせ内容によって担当部署を分けたい
- 資料をダウンロードできるようにしたい
- 予約・応募・購入までWeb上で完結させたい
- 会員だけに情報を見せたい
- 既存のシステムや外部サービスと連携したい
6.原稿・写真だけでなく、「誰が決めるか」まで確認する
制作実務では、デザインやシステムよりも、原稿・写真の準備や社内確認でスケジュールが動くことがあります。
例えば、会社概要の文章は誰が確認するのか。サービス内容の最終判断は誰がするのか。写真は既存素材を使えるのか、新しく撮影するのか。ロゴの正式データはどこにあるのか。
ここで特に大切なのが、窓口担当者と最終決定者が同じとは限らないという点です。制作途中で初めて決裁者の意見が入り、大きく方向転換することを避けるためにも、誰がどの段階で確認するのかを先に共有しておくと進行しやすくなります。
発注側ですべて用意しなければならない、という意味ではありません。原稿作成、撮影、動画、図版制作などを制作会社へ依頼することもできます。大事なのは、誰が担当するのかを曖昧にしたまま進めないことです。
この項目で整理しておきたいこと
- 原稿・写真・ロゴ・会社案内など、現在ある素材
- 新たに撮影・制作したいもの
- 社内の窓口担当者
- 内容を確認する担当部署
- 最終的に公開可否を判断する人
7.予算とスケジュールは「未定」も含めて共有する
予算や公開時期が完全に固まっていなくても、相談はできます。ただ、制作側としては、おおよその条件が分かるほど現実的な提案を組み立てやすくなります。
例えば同じ企業サイトでも、既存素材を活用して構築する場合と、市場調査、撮影、動画、多言語対応、システム連携まで行う場合では、必要な工数も費用も変わります。
「100万円前後で考えている」「200〜300万円程度まで検討できる」「必要な内容を一度提案してもらい、そこから予算を調整したい」といった範囲感でも構いません。公開時期も、「○月○日が絶対条件」なのか「年度内が目安」なのかで進め方は変わります。
また、複数の会社が関わる案件では、広告、サーバー、システム、原稿、撮影、計測タグなど、どこまでを誰が担当するかを早めに共有しておくと、見積もりや進行の重複・抜けを防ぎやすくなります。
予算・日程と一緒に確認しておくとよいこと
- 初期制作費だけでなく、保守・サーバー・外部サービス等の継続費用
- 動かせない公開日と、その理由
- 見積もりに含まれる範囲・含まれない範囲
- 制作途中で要件が変わった場合の扱い
- 複数会社で進める場合の担当範囲
8.公開後の運用・計測・移行まで、制作前に少しだけ考えておく
ホームページは、公開した瞬間に役目を終えるものではありません。お知らせや実績を更新し、アクセスや問い合わせを確認しながら、必要に応じて改善していくことになります。
そのため制作前から、「誰が更新するのか」「不具合時は誰に連絡するのか」「アクセス解析を見るのか」「問い合わせなどの成果をどう計測するのか」を少し考えておくと、公開後に運用が止まりにくくなります。
またリニューアルの場合は、現在のURL、ドメイン、サーバー、CMS、各種アカウント、既存コンテンツをどう扱うかも重要です。URLを変更する場合は、旧URLと新URLの対応を整理し、適切なリダイレクトを設定する必要があります。Googleも、URL変更を伴うサイト移転ではURLマッピングを準備し、可能であればサーバー側の永続的なリダイレクトを使うことを推奨しています。
こうした移行は見た目では分かりにくい部分ですが、既存ユーザーや検索からの流入を適切に新しいページへつなぐために欠かせません。
参考:Google Search Central「サイト・ホームページ移行について」
公開後を見据えて共有したいこと
- 公開後に誰が更新するか
- 保守・セキュリティ・バックアップを誰が担うか
- GA4やSearch Consoleなどの計測環境をどうするか
- 問い合わせ・応募・購入など、何を成果として計測するか
- 既存サイトのURL・ドメイン・サーバー・各種アカウントの管理状況
そのまま整理に使える「8項目確認メモ」
ここまでの内容を、自社内の整理メモとしても、制作会社へ相談する前の準備メモとしても使える形にまとめました。すべて埋める必要はありません。各項目を「決まっている」「相談したい」「まだ分からない」のどれかに分けるだけでも、整理しやすくなります。
| 項目 | 整理メモ |
|---|---|
| 1.目的 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 なぜ作るのか/何を変えたいのか |
| 2.相手・行動 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 誰に見てほしいか/何をしてほしいか |
| 3.現状課題 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 今困っていること/残したいもの |
| 4.掲載情報 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 伝えたいこと/よく聞かれる質問/実績 |
| 5.機能 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 サイト上で何ができるようになりたいか |
| 6.素材・体制 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 原稿・写真・ロゴ/窓口/確認者/決裁者 |
| 7.予算・日程 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 予算感/希望公開時期/動かせない条件 |
| 8.公開後 | □ 決まっている□ 相談したい□ 未定 更新・保守・計測/既存サイトの移行 |
制作会社へ相談する時点で、無理に決めなくてよいもの
- 正確なページ数やサイトマップ
- WordPressなどCMSの種類
- 使用するプログラム言語やサーバー構成
- デザインの細かなレイアウト
- SEOや構造化データの具体的な実装方法
- GA4・GTM等の細かな設定方法
これらは目的・予算・運用体制などを確認したうえで、制作側から選択肢を提示できる領域です。もちろん、すでに社内ルールや指定環境がある場合は、その条件を最初に共有します。
よくある質問
何も決まっていない状態でも、制作会社へ相談してよいですか?
問題ありません。ただし、「なぜ作ろうと思ったのか」「今どんなことに困っているのか」だけでも話せると、相談の入口をつくりやすくなります。ページ数や機能、技術仕様まで決めておく必要はありません。
参考にしたいWebサイトは探しておいた方がよいですか?
必須ではありませんが、あるとイメージ共有には役立ちます。その際は「このサイトが好き」だけでなく、「情報が探しやすい」「写真の見せ方がよい」「この導線が分かりやすい」など、どこが参考になるのかまで伝えると認識を合わせやすくなります。
予算がまだ決まっていなくても見積もりできますか?
相談はできます。ただ、必要な内容によって費用幅が大きく変わるため、「上限感」「この程度なら検討できる」「まず必要な内容を知りたい」といった条件が分かると、提案の現実性を高めやすくなります。
リニューアルの場合、今のサイトについて何を用意すればよいですか?
現在のURL、ドメイン・サーバー・CMS等の管理情報、アクセス解析の有無、残したいページや機能、現在困っている点などが分かると整理しやすくなります。管理情報が分からない場合も、その状態を含めて共有すれば確認方法を検討できます。
ホームページ制作は、「答えを持っていく場」ではなく、一緒に整理するところから始められる
ホームページ制作では、発注側と制作側で持っている情報が違います。お客様は、自社の商品・サービス、顧客、営業現場、社内事情を最もよく知っています。一方、制作側は、情報設計、デザイン、ユーザー導線、技術、SEO、計測などの専門知識を持っています。
どちらか一方だけで、すべてを決める必要はありません。発注側が完成した仕様書を用意して渡すことでも、制作側へ何もかも丸ごと任せることでもなく、それぞれが持っている情報を持ち寄って、目的に合う形を一緒に決めていく。その方が、制作途中の認識違いや、公開後の「思っていたものと違った」を減らしやすくなります。
ニューズコムでは、コーポレートサイト、LP、ECサイトなどの新規制作・リニューアルから、公開後の分析・改善、運用保守までWebサイトを継続的に支援しています。広告、クリエイティブ、調査・分析など他の施策とWebサイトをつなげて考えられることも、当社の特徴の一つです。詳しい支援内容はWeb制作・運用保守をご覧ください。
まだ要件がまとまっていなくても大丈夫です。
「何から整理すればよいか分からない」「社内では制作の話が出ているが、まだ具体化できていない」という段階から、現在の課題や目的を一緒に整理します。